基地所有権をよこせ(ブログ4018)
- 2025年08月28日
トランプと韓国の李在明(イ・ジェミン)大統領の会談がホワイトハウスで開催されましたが、この会談の中でトランプが、在函米軍基地の敷地について「譲渡と貸すことは大きく違う。私のしたいことの一つは、基地の所有権を米国に与えるよう韓国側に要請することだ」、「米国は基地建設に多額の費用を使い、韓国も寄与したが、賃貸契約を解除し、巨大な基地の敷地の所有権を米国が持つことが出来るか検討する」と話したことが、しんぶん赤旗に掲載されました。
これについて、韓国の各メディアは、韓米相互防衛条約と在韓米軍基地地位協定のわく組みを揺るがす発言として非難しています。
当然と言えば当然の話です。他国の土地に米軍基地を置いているだけでは無く、その土地を「よこせ」とは、トランプはどのような思考回路を持っているのか、今まで以上にその精神構造を疑ってしまいます。
例えば、隣の土地に犬小屋を建てて番犬を置いているのだから、その犬小屋の土地をよこせ、と言っているようなもので、盗人か詐欺師か、常識のかけらもありません。
韓米相互防衛条約(日本の日米安全保障条約)第4条では「相互合意によって決定されたところにより、米合衆国の陸軍・海軍・空軍を大韓民国の領土内とその周辺に配置する権利を大韓民国は認め、米合衆国はこれを受諾する」と書かれています。これだけでも威圧的な文章です。一方、在韓米軍地位協定第2条には「米国が使用する施設と区域は、本協定の目的のために必要無くなったときには、合同委員会を通じて合意される条件に従い大韓民国に返還されなければならない」と明記しています。
トランプ関税の時にも同じ手段を使いましたが、先ず高めの球を投げ、ディールで条件を緩和するという、典型的なバナナのたたき売り商法を相手国に突きつけます。
本来3,000円の商品を1万円とふっかけ、徐々に値段を下げ、最後に5,000円で商談成立とする。相手に恩を売ってボロ儲けするスタイルを、今度は韓国内に駐留する米軍基地を商品として相手にふっかける。つまり、米軍駐留費の韓国側負担を大幅に引き上げるための圧力材料という見方も出来ます。
韓国内に米軍基地を駐留させるのは、米国にとってのアジア太平洋戦略の一環であることは明らかであり、韓米双方の思惑の結果である事は明らかです。
韓国には、ひるむこと無くお断りをして欲しいと思います。
もし、韓国がこのディールを認めて協議を行えば、おそらく、いや間違いなく日本にも米軍基地の費用負担の増額を求めてくるでしょうし、基地だけでは無く防衛費のGDP枠の拡大や防衛装備の押し売りも行うでしょう。
トランプという人物は米国の軍事力を誇示して、何でも求めてくる人物であり、軽蔑すべき人物です。