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地熱発電(ブログ3275)

  • 2023年07月11日

 蘭越町で噴出を続ける地熱発電用の井戸からの水に、水道水の2000倍にも及ぶヒ素が含めれていることが分かり、地熱発電調査を行っている三井石油開発は、この井戸を埋め戻すことを判断し、8月下旬までに工事を終える様です。

 予期せぬ事とはいえ、毒性のヒ素を含む水が噴出しては、安全のために塞ぐのは当たり前で、この間、町に対しても地元に対しても情報を隠ぺいしていたことは企業倫理としてあるまじき行為であり、事故を甘く考えていた事による企業への不信は大きなものとなるでしょう。 早急に、原状回復がなされることを期待したいと思います。

 さて、この試掘は次世代技術を使った地熱発電の実証試験を行うためのものでした。

 地下にループ状の井戸を作り、そこに水を入れ地熱で暖めた水を熱交換して発電する「アドバンスト・クローズド・ループ(ACL)」で、水は循環させ再利用します。

 従来の地熱発電は、地下から熱水や蒸気を取り出してタービンを回すことから、近隣の温泉旅館などから温泉に影響を来す恐れがあるとして敬遠されていましたが、この新しい方法はお湯や蒸気を利用することなく、らせん状に掘った井戸の地熱を利用することから、温泉に支障を来すこと無く熱利用が可能なものとして私も関心を持っていましたが、今回の事故で、地熱発電の開発にブレーキがかかるのではないかと憂慮します。

 北海道の地熱発電賦存量は、全国の6割を占めると推定されており、太陽光、海洋風力に次ぐ再生可能エネルギーとして期待されていましたから、今回の事故の検証を十分に行い、安全性に配慮しつつ、改めて試掘と実証実験に進んでもらいたいと思います。


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