国立美術館・博物館(ブログ4212)
- 2026年03月16日
文科省は、重要文化財など1万3,000点以上の貴重な所蔵品を誇る、東京国立近代美術館などの国立美術館や博物館等の国立文化財機構などの独立行政機構に対し、5年ごとの運営目標を作成させていますが、4月からの新たに作成する中期目標に、各施設の収入目標の達成を義務づけ、未達成の場合は「再編の対象とする」と明記しました。
また、訪日外国人向けに割高な入館料を設けて「2重価格」とすることも求めています。
さらに、展示事業費に対する自己収入比率を20年~30年までに「65%以上」とし、次期期間には「100%」とすることという、非常に高いハードルを設定しました。
29年度に自己収入が4割を下回った施設は、「社会的に求められている役割を果たせていない」として再編の対象とすることにしています。
そうなれば、菅元総理の肝いりの「ウポポイ」も対象となってしまうのでしょうか。
「貧すれば鈍する」の例え通り、財源が足りなくなれば、そのことにのみ意識が言って大事な事柄に対して鈍くなる。採算だけではない意義がある文化を犠牲にするというのが、この国の貧しい政治風土では無いかと思います。
美術館や博物館は、貴重な文化財の収集、保存、展示を行うだけでは無く、学芸員がその文化財の文化的価値の研究を通して、伝統的技術の継承や歴史的価値、将来に向けての保存手法など、国宝や重要文化財はじめ多くの文化財の保護も重要な役割ですし、それらを通じての展示によって国民に文化の素晴らしさを体感して貰う重要な施設です。
また博物館も、その地域の歴史的な成り立ちを古民具、生活用品、動植物の標本などによって知って貰うだけではなく、個別なものに特化した展示、残していかなければならない貴重な品々、歴史的遺産、発掘した新たな発見などを展示する、社会教育の原点とも言える施設です。
これらの美術館や博物館は、毎日訪れる施設ではありませんが、常設展や特別展などで新たな知識と、知ることが無かった感激を与えてくれる施設です。
私は、視察やプライベートで各地を訪れる事がありますが、合間の時間には必ずその土地の博物館や美術館を訪れます。そこでの新たな発見や、目を見張る感激に包まれることが多くあります。また、外国に行った時も、時間が許せば博物館や美術館を訪ねます。
これらの施設は収益を求める性質の施設とは一線を画するものではないでしょうか。
国立であればこそ、国民に日本が培ってきた文化と歴史に触れて貰わなければならないと思います。それはお金で買うことが出来ない文化そのものでは無いでしょうか。
この国は、いつの間にか「金」が全てという、卑しい国になってしまったのでしょう。
国会議員の中には、文化の大事さを分かっている方がいるはずだと信じています。
この中期目標に反対しなければ、美術館も博物館も存続さえ危ぶまれる事態に追い込まれてしまいます。何とか押し戻して欲しいと願っています。





