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原発の基準地振動

  • 2021年11月18日

 道新の“各自核論”で、元裁判官の樋口英明氏が「伊方原発3号機の運転差し止め仮処分請求」に対して、広島地裁が住民請求を却下したことに意義を唱えるコラムが掲載されていました。

 樋口氏はこの中で、<南海トラフ地震が発生した場合に伊方原発を襲う地震動について、四国電力はあまりに非常識な算定をしているのも関わらず、司法が安全性の判断を放棄したかような今回の決定は到底容認できない。

 伊方原発の耐震設計の目安となる基準と振動は650ガル(ガルは揺れの勢いを示す加速度)だ。これは、日本列島西部を横切る中央構造線が動いた場合を想定している。

 これとは別に南海トラフ地震が起きた際の地震動を、四国電力は「M9の南海トラフ地震が伊方原発直下で起きても181ガルと」としている。181ガルとは震度5弱の揺れに相当する程度の加速度だ。この「直下のM9で181ガル」というのが、どれほど非常識か。>ということで、二つの例を挙げました。

 一つ目ですが、<2011年のM9.1最大震度7を記録した東北地方太平洋沖大地震では、震源から約180km離れたフクシマ第1原発の固い岩盤で675ガル。

 二つ目は、<2007年のM6.8最大震度6強の新潟県中越沖地震で、1700ガルを記録した。このことを見ても、直下の南海トラフ地震で181ガルなど常識的に考えてあり得ず桁が一つ違うのではないか。四国電力の基準地振動の計算方法自体が問われる。>、そして、<広島地裁は、一概に不合理だとは言えず、具体的危険性の立証は不十分だ。>として、その立証を住民側に求めました。

 そして、広島地裁の判断に対して<普通に考えておかしい事が、おかしいといえる司法であって欲しい。抗告審では、裁判官が自らの仕事に誇りを持って、常識的な判断を下すことを期待している。>と結んでいます。

 さて、原発の安全性に関わる基準地振動は、フクシマ第1原発の事故を踏まえて再検討が加えられました。

 それぞれの立地環境で基準地振動の数値に違いがあっても、平均的には東北地方太平洋沖大地震の675ガルを参考に設定されていますが、指摘があったようにそれぞれの電力会社が決めていますし、電力会社が想定している最大限の地震の規模も科学的根拠に基づいているのかが問われます。

 しかし、地震による原発の被害はあってはならず、もしもの事態がないように耐震設計が為されなければなりません。

 ちなみに、一般住宅の耐震基準については、ミサワホームが1000ガルに耐えられ構造を持ち、大林組は2500~3000ガルに耐えられる事になっています。

 一般住宅の耐震等級は、関東大震災の400ガルに耐えられる事が「耐震等級1」で、その1.25倍の500ガルが「耐震等級2」、さらに1.5倍の600ガルに耐えられるのが「耐震等級3」となっていますが、国交省は1500ガルに耐えられるように基準を引き上げることを検討しています。

 原発の耐震基準が、一般住宅の3分の1や4分の1では何とも心許ないのではないでしょうか。


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