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医療の応招義務

  • 2017年08月22日

 小樽の民間病院の臨床検査技師が、2015年12月に勤務していた病院の屋上から飛び降り自殺した記事が道新に掲載されました。

 またも医療関係者が長時間勤務による過労の犠牲になってしまいました。

 先日は医師の自殺が報道され、医療関係者の勤務形態が劣悪であることを示しています。

 そして、それが、「応招義務(診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、これを拒んではならない)」という医師法第19条や医療関係法に束縛されていることから派生するものだとしても、医療関係者としての義務感が際限の無い時間外勤務を生み、その結果、心身共に蝕まれ、ボロボロになっていきます。

 今回の臨床検査技師は、1ヶ月の時間外勤務時間が最長188時間にのぼり、無くなる半年前からの時間外勤務は月100時間超が4回もあり、過労死ラインを大きく上回っていました。

 そして先日の医師は、1ヶ月の時間外勤務時間が173時間と言われています。

 2015年の自殺に対し、過労死認定に1年8ヶ月もの審査を要した労基署にも問題無しとはなりませんが、今回、今年1月から7月までに病気や精神障害などの理由で労災認定を受け休職した看護師・技師が、63人にものぼるという統計も発表されました。

 ちなみに、今年3月の第1回定例道議会予算特別委員会で、私が道職員の時間外勤務実態を質問した時は、道立病院の薬剤師が最高1年間に1,347時間の時間外勤務をしていた実態も明らかになりました。

 先程も述べた「応招義務」に罰則規定は有りませんが、厚労省は以下の見解を示しています。

1.患者の求めにも関わらず、単に軽度の疲労の程度を持ってこれを拒絶することが有ってはならない。

2.応招義務違反を反復した場合は医師免許の取り消し、又は停止を命じる場合がある。

3.休診日であっても、急患に対する応招義務を解除されるものではない。

 この「応招義務」は、獣医師、歯科医師、薬剤師、助産師についてもそれぞれの関連法に同様の規定が有り、医師等は必要があれば診療等を拒否することは出来ず、もって、自身の体調などを考慮することもできず、この義務に縛られてしまいます。

 また、看護師や臨床検査技師などコ・メディカルには「応招義務」の適用はありませんが、診療行為には、コ・メディカル関係者は協力は欠くことが出来ませんし、それが今回の自殺につながったものと思います。

 だとすれば、雇用主である医療法人理事長や現場の最高責任者である院長がスタッフの勤務実態に配慮しなければなら無いのは明らかですが、医師不足、コ・メディカル人材不足の中、常にしわ寄せを求められ、そこに犠牲がついて回ります。

 医師が過剰になると言っていた、道内の医育大学の学長はこの実態をどのように見るのでしょうか。

 そしてご自身の医育大学付属病院では、当然過剰な時間外勤務は皆無なのでしょうから、その実態を明らかにして欲しいものだと思います。


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