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再稼働と文献調査(ブログ3924)

  • 2025年05月20日

 「バックエンドを検討」という題で16日にブログを掲載しました。要約して再掲します。<原発を立地する全国の市町村長らで作る「全国原子力発電所所在市町村協議会」が定期総会を開催し、高レベル放射性廃棄物最終処分場の選定、使用済み核燃料の中間貯蔵や再処理、原発廃炉に関わる低レベル放射性廃棄物処分場などの「バックエンド」問題に対する調査・検討を行うこととしたことが報道されました。

 この協議会には泊原発関連では後志管内の泊村長が会員として、同管内の共和町長、神恵内村長、岩内町長が準会員として参加しています。

 バックエンド問題は、本来、原発に手を染めた政府の責任で対策を考えなければならないものですが、協議会が自主的に調査・検討を行うことになったことの裏には、経産省が蠢いていたのでは無いかと容易に想像がつきます。

 協議会ではどのような調査・検討を行うのか定かではありませんが、用意される資料そして検討課題も、経産省とNUMOが主体となるはずです。

 その結果、協議に参加した自治体のどこかがバックエンドの建設を引き受けざるを得なくなるのではないかと危惧します。

 協議会は、現状や課題を把握して政府などへ要望するとしていますが、すでに協議会メンバーは現状や課題について、それなりの知見を有していると思います。今回のことが、経産省とNUMOに取り込まれてしまう隙を与えてしまう様な気がします。>

 さて、原発立地自治体の首長会議 「全国原子力発電所所在市町村協議会」が東京で開催され、その中で、桜井雅浩新潟県柏崎市長が、「原子力規制委員会の安全審査に合格した原発に、6ヶ月の有効期限を設ける」という私案を提起しました。つまり、期限を過ぎれば地元同意が無くても電力事業者の判断で、再稼働できるようにするということです。

 これは、地元の知事や市町村長の判断は得ずとも、事業者が再稼働を判断すれば良いということで、あまりにも電気事業者に寄り添った発言では無いでしょうか。

 さすがに、その場に同席していた政府関係者から「法の趣旨にそぐわない」とたしなめられました。法は再稼働について、地元の知事と関係自治体の意向を尊重することになっていますから、政府関係者の発言は当然です。

 市長は以前、花角英世知事が屋内退避施設の整備や自然災害時の協力を東京電力に求めた点について、「合理性を欠く要望ならば突っぱねてもいい」と東電社長に助言したこともあり、条件付き再稼働容認を掲げて市長選に3度当選していることを背景にした発言と言えますが、度を超した発言だと思います。

 一方、今度は島根県益田市で、経済界グループから高レベル放射性廃棄物最終処分場の文献調査を求める請願を議会に提出しようとする動きがありました。ここも交付金ありきです。手を挙げた全ての自治体が、調査費交付金を目当てにしていることが明らかなのだと思います。

 島根県の丸山知事は、「反対だ」との意向を表明、山本浩章益田市長も「(文献調査の実施は)農林水産の風評被害の懸念や、近隣市町村から理解が得られない。市民の分断も懸念する」と反対表明、隣接する山口県萩市からも田中文夫市長が観光客減少を懸念し「市からするとマイナスだ」と強調しました。

 「全国原子力発電所所在市町村協議会」が、与える再稼働への影響と最終処分場の調査が全国の自治体を揺るがしています。

 

※21日から25日まで、カナダ。バンクバー訪問団として参加することから、その間、ブログは休ませていただきます。


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