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入管は人権を守れ(ブログ3246)

  • 2023年06月12日

 入管法改正案が参議院の法務委員会において委員長職権による強行採決で可決したことから、今週の参院本会議で成立することになるでしょう。

 2年前、多くの国民から批判を受けて廃案となった旧法案の焼き直しとも言える改正は、
我が国に一縷の希望を抱いて渡ってきた外国人に死刑を宣告するような内容であり、その立法事実についても多くの疑義が有りながら、その疑問に答えることが出来ず、逆に入管という組織の腐敗と収容環境の惨さを露呈するなか、強引な手法によって成立させようとするものです。

 難民申請をしても、ろくな審査もせずに非認定とする事をを大前提とし、難民申請中は送還されない現行法を改悪し、申請は2回までで、3回目は申請中でも母国へ強制送還の対象とする事を認める法律は、人権とはほど遠いもので、民主国家を自ら放棄し、国際的な信頼をも唾棄するものと思います。

 とりわけ、難民認定に関わっては、難民審査参与員として関与していた柳瀬参与員の難民審査が著しく偏っていた事が明らかになりました。彼女の審査は単純計算でも一人約6分間という超短時間でおざなりの審査です。杜撰な審査は入管庁の意向を最大限に尊重したもので、「難民をほとんど見つけることが出来ない」との発言を利用して、政府が法改正の必要性の根拠としました。

 この参与員は大いに糾弾されるべきです。この参与員のお陰でどれだけの外国人が強制送還され、母国で迫害を受けたことでしょう。

 柳瀬参与員は自ら恥ずべき行いをした事を、そして、難民の命を軽んじてきたことを猛省すべきです。

 この法案の肝である難民申請に関し、入管が関わるのでは無く、政府から独立した第三者機関を創設して難民の申請や保護を担い、収容に当たっては裁判所の許可を必要とするという野党案は、まさしく、国際的にも人権を尊重する国であることを示すものではないでしょうか。

 今後、我が国は少子化が進行し、労働力不足が深刻な問題となってくることは政府も認めるところで、外国人技能研修制度の緩和や外国人労働者の受け入れを積極的に行おうとしていますが、今回の難民認定法の改正は、それに真っ向から矛盾する内容です。

 そして、外国人を差別の対象として扱ったり、劣悪な労働条件を当たり前だと思っている経営者や、外国人を排斥の対象としか見ていない古い思想の保守層がいつまでも存在しています。

 外国人の人権を保護し、難民申請の緩和を行い、日本に暮らす外国人の方々が安心して就労して生活できる環境を整えることこそ、これからの社会に大事なダイバシテイ(多様性)とソーシャルインクルージョン(社会的包摂)であり、求めるべき方向性だと思います。


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