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働かせ方改革

  • 2018年02月19日

 国会では予算委員会で「働き方改革法案」の提出のベースとなった「2013年度労働時間等総合実態調査」のデーターと全く違う主旨のデーターを同じように比較して、政府の都合の良いように「裁量労働制の方が労働時間が少ない」と答弁したことがバレてしまい、明日、集中審議が行われるようです。

 基本となる数字に疑義があるのであれば、それを基にしたこれまでの審議は無効となることは世の中の常識です。

 立憲民主党の辻元清美国対委員長は「一から議論をするべき」と発言しています。

 日刊ゲンダイには、昨年9月4日の労政審労働条件分科会の労働者代表の委員の発言が記載されています。

 それによると『2015年4月~5月にかけてITエンジニアの労働条件、裁量労働制の実態調査をさせていただきました。調査の母数としては1066人の方から回答をいただいておりまして、このうち200人ぐらいが裁量労働制の適用になっている。労働時間に関しては、裁量労働制が適用されている方の方が適用されていない方に比較して労働時間がやはり長くなっているという傾向にあります』、『特に納期前など、忙しい時期の1日の労働時間を比較しますと、12時間及び13時間以上の割合が非適用者に比べて約10ポイント高くなっているという調査結果が出ています』、『業務量に関してですが、(略)法定労働時間を優に超える業務量であると答えている人が38%ほどいる。裁量労働制の対象拡大はもとより、現状の裁量労働制における労働時間の実態については、昨今の過労死の現状など見ると少し危機感を覚えざるを得ないと考えております』、『労働災害ということで見ると、見なし労働時間制ということで労働時間の実態把握が難しく、労災の申請も難しいということが、弁護士の方々からの意見として出てきたように聞いています』と、本当の実態調査の結果を話しています。

 裁量労働制は、年間5日の有給休暇を取らせれば残り360日の連続勤務もOK、4週間で4日以上、年間104日以上の休日を確保すれば24時間勤務も合法となる内容です。

 対象の年収は1075万円以上ですが、法案が通ればこの年収はどんどん下げられのは必至ですし、職種も今は企画・研究・開発部門等だけですが、野村不動産のようにいつの間にか営業職まで拡大し、労働基準監督局から指導を受けた事例も有ります。

 多くの労働者が「達成目標」を持たされ、残業代も支払われず、過労死に到る裁量労働制へと職種が拡大されることも十分にあるでしょう。

 何せ「働き方改革」は、企業による「働かせ方改革」なのですから。


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