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偏ったファースト(ブログ4026)

  • 2025年09月05日

 参政党の「日本人ファースト」が氷河期時代の若年者の心に響き、参院選で勝利したと多くのメディアや評論家が話していますが、気になっていたのが、選挙中に社民党のラ・サール石井氏が話していたことです。

 石井氏は「人間にファーストもセカンドも無い」、「日本で働いている外国人の方がたくさんおられるのに、よく『日本人ファースト』といえるなと思ったんです。逆に言うと『外国人に乗っ取られてしまうよ、息苦しいよ』と思っている方が多いのではないかとも、ただ、日本からいま急に外国人の方がいなくなったらどうするのか。外国人が優遇されている。犯罪が増えたといったことも(ファクトチェックすれば)嘘だと分かる、それを言うなら、一番優遇されている外国人は基地の米兵だが、沖縄で加害や暴行事件を起こした米兵のことは問題にしない。その辺に違和感があった」と話しています。

 さて、ジャーナリストの竹信美恵子氏は、「私は日本人と自認している。それは日本国籍だからだ。だが日本国籍があれば確実にファーストになるとは限らない。人権活動家の辛淑玉さんは<この国では帰化人は日本人じゃないとか、三代前まで日本人でないとダメとかのマイルールが兆候跋扈している。果ては政権与党を批判するだけで『在日認定』される始末>。 戦前『非国民』という言葉があったが、これは日本国籍の人が日本人ファーストから勝手にはずされた代表例。この国では日本国籍があっても『セカンド』にまわされる可能性はいくらでもある。そんな中で『日本人ファースト』が政策にされたら、勝手な日本人定義による国民間の序列付けがあたりまえにされかねない。」と話しています。

 日本の低賃金は外国人が入っていい仕事を奪ったから? 違うでしょう。平成不況の中、竹中平蔵と安倍晋三が正規職員の削減に力を入れ、非正規職員・派遣職員など労働市場の規制緩和を行った結果、今では全労働者の4割以上が最賃ギリギリの非正規となっています。ここを正さなければならないのに、外国人のせいにしてどうするのでしょうか?

 「ルールを守らない」、「万引きなどの犯罪が増えている」、本当に増えているのか数字で示すと、ここ数年の外国人と日本人の刑法犯の件数では、

         外国人          日本人

2004年  43,600件    225,900件

2014年  33、000件    236,550件

2020年  14,050件    255,500件

2023年  15.541件    254,000件

2024年  16,691件    270,582件

 となっています。ここ30年では外国人数は約3倍となっていますが、犯罪数は3分の1となっています。

 日本に滞在または居住しているものが、日本の法律に反する犯罪を犯せば、当然誰だろうが罰せられます。

 調べればすぐに分かる事実です。それを行わないでまき散らす意図的なプロパガンダ。そして政治がそれを行おうとしています。今の日本を作り上げたのは、賃上げをせず、非正規を増やし、成長経済を実現できず、政策の失敗を外国人に押しつける官製ヘイトの構図ではないでしょうか。

 先に話したように、人間にファーストもセカンドもないのです。自分がファーストなどと思っていれば、すぐにそれは壊されてしまいます。


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