乾式貯蔵施設(ブログ4049)
- 2025年09月28日
関西電力美浜原発敷地内で建設計画があった使用済み核燃料の「乾式貯蔵施設」について、規制委員会がこの施設の新設計画を了承しました。
美浜原発の使用済み核燃料冷却プールの要領が上限に近づき、一時、関西電力は、青森県の中間貯蔵施設に打診していましたが、青森県から断られ、その対応を検討していました。その後、原発敷地内に一時的に貯蔵する乾式貯蔵施設を建設する事にし、その建設内容について規制委に申請していました。
規制委の承認が得られて、今後は経産相らの意見聴取を経て正式な許可となります。
この使用済み核燃料は、多くの原発でもプールに保管して水で冷却していますが、何処の原発も容量の上限が近づいています。
一方、原発の再処理工場の完成はまったく目処がつかず、と言うよりも破綻しています。
今回の施設は、燃料21体が入る容器を最大10基設置する予定で、その仕組みはシンプルに空気の対流で冷やす仕組みですが、再処理工場の目処が立たず、最終処分場の進展は全く見えていませんから、今後も、原発敷地内に同じような乾式貯蔵施設を作り続けなければなりません。
つまり根本の処分にはならず、事実上の仮置き保管という事になります。
これは、一番新しい泊原発3号炉にも当てはまります。
当然、今後1・2号炉も稼働したいというのが北電の考えですから、冷却用プールも余裕があるのかというと、必ずしもそうではありません。
1・2号炉の容量は6年未満、3号炉で12年ほどとなりますが、北電の斉藤社長は、1・2号炉も再稼働すれば、余裕のある3号炉のプールと共用すると話しています。そうすると、12年間の3号炉のプールの寿命は短くなのは道理です。
今から、乾式貯蔵施設の検討を始め、施設計画を規制委に申請しなければなりませんが、貯蔵施設を新設することをどのように道民へ説明するのでしょうか。
原発はいつまでもトイレのないマンションなのです。