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中間貯蔵施設へ舵(ブログ3319)

  • 2023年08月24日

 山口県上関町で、中国電力・関西電力が使用済み核燃料の貯蔵施設を計画してからたったの16日後に、上関町議会は西町長が求めていた貯蔵施設の調査を容認しました。

 これまで上関町は原発を要望していましたが、住民の反対で40年以上建設の目処が立たないままとなっていました。

 原発マネーを当てにしていた町は、街づくりを積極的に展開する知恵を出すこと無く、1982年に約6900人だった人口は今年7月末時点で2310人と3分の1までに減少、西町長は「現実を直視する必要がある。感情論でこの町は耐えられない。」と話しましたが、果たして首長として街づくりを積極的に展開してきたのでしょうか疑問です。

 上関町と向かいにある祝島は漁業のまちで、代々、穏やかな瀬戸内海で豊富な水産資源と供に生活してきましたが、町が中国電力に対し原発を誘致、しかし東日本大震災での福島原発事故以来工事は中止し、以降、原発交付金は減額され町の財政は逼迫します。

 西町長は、中国電力に原発以外の核施設の誘致を要請、その段階で使用済み核燃料中間貯蔵施設は既定路線だったのかも知れません。しかし、中国電力の財政力だけでは施設建設は難しく、一方、福井県から使用済み核燃料の県外搬出を求められていた関西電力とは思惑が一致し、共同で施設を計画することになりました。

 使用済み核燃料を再処理してウランとプルトニウムを抽出する核燃サイクル計画が既に破綻していることから、中間貯蔵施設は、現実的な核廃棄物の処分方法と言えるかも知れませんが、一方で、原発が廃炉になっても長く核廃棄物を原発敷地内に留めなければならないことをも意味します。

 調査を行う事で年間1億4000万円が町に交付されます。町の年間予算は約32億円、予算の約4%分ですが、知事が建設を同意するまで交付され、知事が建設に同意した場合は、その後の2年間で約19億8000万円が交付されます。

 大都市が電気を大量に消費し、そして、その廃棄物施設は、またしても財政の厳しい過疎地が候補となり、政府と電気事業者は原発マネーで頬を撫ぜて地元の人心を手に入れようとしています。


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