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ネタニヤフの腐敗(ブログ4137)

  • 2025年12月28日

 先日、「ネタニヤフ調書 汚職と戦争」というドキュメンタリー映画を観てきました。

 ネタニヤフが首相の地位に就いてから汚職が始まり、最初は映画プロヂューサーや豪州の大富豪から高級な葉巻や、サラ夫人が好きだったピンクのシャンパンなどを個人的な贈り物として受け取り、その見返りに映画プロデューサーが有利になる税制の改正や、米国へのビザなどで便宜を図っていましたが、だんだんとエスカレートし、葉巻やシャンパン、夫人が要求するブランドもののアクセサリー等をねだり始め、また、イスラエルの大手新聞社オーナーと結託して競合誌の流通を制限する代わりに自分に有利な報道を行う様に要求、さらに通信大手べゼック社のオーナーが所有するニュースサイトの編集内容や人事にネタニヤフ家族が影響力を行使させ、その見返りにべゼック社の巨額取引を政府規制で承認させたりしました。

 その繋がりと賄賂は徐々に深刻なまでに増大し、軍備などの汚職などにも及び大きな事件となりました。一方、これらのことは彼らにとって日常となり、ネタニヤフとその家族は隠すことさえしなくなっていきます。

 妻のサラは、ネタニヤフを意のままに操り、ネタニヤフはサラに頭が上がりません。この構図は、ネタニヤフが首相になる前に不倫事件を起こし、多くの面前で記者から追及された時、その場にいたサラは初めて不倫を知ることになり、それ以降は、ネタニヤフもサラの顔色を伺うようになっていきます。

 汚職事件に対する取り調べ時も、サラの態度は高慢で自分が法の上にいるかのように振るまい、警察を非難して一方的にしゃべり続けます。息子のヤイルも捜査を批判して、正当な捜査だと言うことを否定し続けます。

 この映画は、多くの証人が警察の取り調べを受けた際に証言した事実をつなぎ合わせるという手法を採っていますが、贈賄した本人達もネタニヤフの要求に辟易しており、近くでネタニヤフに触れてきた側近や友人達も素直に事実を証言しています。

 ネタニヤフは、事件を葬るべく最高裁の人事に手を付けることで逃れようとします。

 また、自分が戦争を続けている限り国家非常事態を理由に裁判を拒否できることを利用しており、権力を失えば有罪になるという現実を異常に恐れ、政権の足下がぐらついた時も極右宗教政党と連立を組み、この政党のリーダー二人に大臣ポストを与えます。この連立の相手がパレスチナを掃討することを目指しており、宗教とも相まって攻撃は拡大し、ガザやヨルダン川西岸のパレスチナ自治区などをイスラエル化しようとしています。

 ネタニヤフは、この戦争が続く限り首相の座に留まることが出来ることから、自らの権力を維持するために、和平などする気はありません。つまり、ネタニヤフとその家族の権力維持のために5万人以上の人命が失われているということになります。

 この映画は、ネタニヤフの腐敗政治から、権力維持のために戦争を継続していることを明らかにしています。当然イスラエルでは上映禁止、米国でも一般映画館では上映が難しく、ネットサイトのみで観ることが出来るようです。

 米国でも日本でも、自らの権力が裁判によって失う事を恐れている為政者が、人事権を行使して最高裁判事の首をすげ替えています。日本では、その最たる方が鬼籍に入りましたが、私たちは常に権力を監視していなければ、右傾化していく政治によって、戦争という権力者の目くらましに欺されることがあります。

 次は、戦争が楽園を地獄にした「ペリリュー:楽園のゲルニカ」を観たいと思います。


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