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ジャンプ・スーツ

  • 2022年02月08日

 昨日の北京五輪スキージャンプ混合は、アスリートの精神的重圧を改めて私たちに訴えていると感じました。

 高梨沙羅選手の1本目は見事なジャンプでしたが、その直後、スーツが規則違反で失格となったとの放送が流れ、一体何が起きたのかもっと説明が欲しいと思ったのは私だけでは無いと思います。

 そばで一緒にテレビを見ていた妻も、「スーツの何が問題なの?」と素直な疑問。

 私は、「ジャンプは浮力が飛距離を左右するので、大きめのスーツの方が浮力がアップするからかなあ。」と素人の解説をしましたが、今日の新聞のスポーツ欄には、「ルールが厳しくなって、太もものサイズとスーツのサイズの差が2cm以上は失格になると言うことが掲載されていました。

 そして、「スーツはコーチなどの関係者が選手に渡すことから、選手の責任では無くスタッフの責任。」とも書かれていました。

 高梨選手は、1本目のジャンプが好成績だったことから失格を突き付けられた瞬間は奈落の底に引き落とされた気がしたことでしょう。

 しかし、1本目のジャンプで失格というアクシデントに見舞われながら、メンタルを強く持ち、2回目のジャンプでも素晴らしい成績を残しました。

 たった1回の、それも不可抗力に近いことが原因でしたが、試合が団体競技だったが故に、彼女の痛恨の思いも計り知れないほどだったでしょう。

 試合終了後に小林陵侑選手達が彼女をハグして慰めていた様子に、チームとしての一体感と優しさを感じさせてくれました。

 高梨選手はこの間、スキージャンプ・ワールドカップで男女を通じて歴代最多の61勝を、同じく男女通じて歴代最多の表彰台110回、シーズン個人総合優勝4回の成績を持ち、2017年にはスキー界で最も権威のある「ホルメンコーレン・メダル」を受賞しています。彼女のアスリートとしての素晴らしい天性と、輝かしい成績はこれからも多くの国民の記憶に残るものです。

 ジャンプ競技も、スーツの2cmが問題となるだけ技術が拮抗してきている現実があり、各国もそこに凌ぎを削り注力しているとのこと。

 過去にも、競泳で浮力を持つ素材の水着が開発され、記録が一気に伸びたことからメーカーが開発競争を繰り広げ、その結果、これらの水着は着用禁止となりました。

 ジャンプは審判が事前にスーツをチェックし、それを選手が着用する事にすれば今回のようなことは防げるものと思います。

 今回のジャンプ男女混合の試合では4ヶ国5人の選手の失格があったようですから、関係各国からも大きな問題として取り上げられるのではないかと思います。


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