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ジブチより南スーダン

  • 2016年08月28日

 8月17日のブログにも書かせていただきましたが、11月から南スーダンに派遣される陸上自衛隊の新しい任務の訓練が、いよいよ8月25日から始まりました。

 まずは、国連平和維持活動(PKO)に関わる「駆け付け警護(襲われた他国部隊などを武器を使用して助ける)」、そして「宿営地共同防衛(宿営地が攻撃を受けた場合、他国部隊と共に宿営地を守る)」という二つの任務に関する訓練です。

 その後は、10月にも行われる予定になっている安保法の具体的な実施を想定した、実質的な集団的自衛権行使に関わる米国との共同訓練や、後方支援として世界のどこでも他国軍への補給などの支援訓練、さらに、紛争発生前からの米艦戦などへの防護訓練と、まさしく安保法での規定に沿った、想定される限りの戦時訓練に突入することになります。

 稲田防衛相は「準備作業に一定の目途が立ったため、今後必要な訓練を行う。各種事態に適切に対応できる様に万全を期したい。」と語り、安保法の運用を始めることを表明しました。

 その稲田防衛相、8月13日~16日まで急遽ジブチを訪問し、ソマリア沖の海賊対策、P-3C哨戒機で監視活動をしている海上自衛隊、ジブチ基地の警護と管理を行っている陸上自衛隊の統合任務部隊を視察しました。

 ジブチは今のところ大きな問題は発生しておらず、今回の視察は、8月15日の靖国参拝を見送るための口実と言われています。

 この時、日本から出発する稲田防衛相の姿がNHKテレビで放映されましたが、派手なTシャツにキャップを被り、大きなサングラスといういでたちで、ニコニコしながらの出発という、緊迫した地への視察とはとても思えないルンルン気分がその笑顔にきっちり表れ、ネットでも多くの批判が出ていました。

 南スーダンがPKO5原則に当てはまらない状況になっているにもかかわらず、平穏だと強弁する菅官房長官、自衛隊を派遣している責任者である防衛相であれば、真っ先に南スーダンに行き、その目で現地の状況を視察し、JICAの職員や大使館員、そして派遣されている自衛隊員の生の声を聞いて、国民にその情報を正しく提供すると共に、国家安全保障会議において、派遣の撤退、継続などについて再協議をするのが、PKO派遣をしている日本の防衛相の責務ではないでしょうか。

 ジブチへの視察をリゾート地への海外旅行にでも行くようなチャラチャラした気持ちで出発する稲田氏に、日本の防衛をを司るという自負が本当に有るのでしょうか。


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