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ウクライナ・欧州協議(ブログ4002)

  • 2025年08月12日

プーチンとトランプの二人で決めようとしていたウクライナの領土割譲に対し、ウクライナと欧州が協議を行い、領土割譲を拒否することで意見の一致をみたことが報じられました。

米紙ウォールストリートジャーナルによると、ウクライナとの欧州は完全停戦を最優先事項とし、ウクライナのNATO加盟の可能性を含めた「安全保障の確約」が必要との認識を確認した様です。当たり前と言えば、当たり前の事です。

この協議に参加したのは、フランス、イタリア、イギリス、ドイツ、ポーランド、フィンランドと欧州委員会委員長、ロシアによるウクライナへの侵略で、領土割譲が認められれば、ロシアと地勢的に近い欧州は他人事では無い事になります。したがってこれを認めるわけには行かないのです。

喫緊にNATOに加盟したフィンランドとロシアの国境線は1,340kmにも渡り、内200kmに現在フェンスを建設中です。無論、鉄製のフェンスでロシア軍の侵攻を防ぐことは出来ませんが、不法移民の侵入を防ぐのが大きな目的です。

これは、火器などを使った戦争ではなく、ハイブリット戦争(サイバー攻撃、テロ、犯罪行為、情報操作等を行い、政治、外交、経済、金融等を国内で混乱させる)を回避する為で、フェンスには50m間隔で監視カメラも設置されています。

ロシアは、ウクライナのクリミア併合に際し、このハイブリッド戦争を入念に仕掛け、とりわけ偽情報を流し、行政府や議会を占拠して政治機能を奪取し、ウクライナからの独立とロシアへの併合の可否を問う住民投票を行い、プーチンがクリミアの併合宣言、その理由として「自国民保護」を主張しました。

これは、ロシアがウクライナ領のドネツク・ルハンスク両州に居住し、ロシア語を話す住民は自国民だとしてハイブリッド戦争を仕掛け、住民投票を実施したことを見れば、同じ事を他国にも仕掛ける事が容易に想定出来ます。フィンランドは自国にロシア系移民を入国させないためにフェンスを設置しています。

さて、ウクライナと欧州の協議では「ウクライナと欧州の重要な安全保障上の利益を守らなければならない」、「ウクライナが主権と領土保全を効果的に守る安全保障が必要だ」、「国境は力で変更してはならないという原則を堅持する」ということも含めた共同声明を発表しました。これも当然の主張だと思います。

15日の米ロ首脳会談はこのウクライナ・欧州協議の内容を、どのように判断するのか注視しなければあなりません。


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