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新自由主義とグローバリズム

  • 2016年11月10日

 昨日の夕方に米国新大統領にトランプ氏が当選というニュースが流れ、それ以降はほとんどの報道番組はこのニュース一色でした。

 我が国の多くの国民も、何だかんだ言っても米国民は最後にヒラリー・クリントン氏を選ぶだろうと思っていたでしょうし、私も常識的にクリントン氏が当選すると思っていましたが、あに図らんや、思いもかけない結果となってしまいました。

 この結果に、イギリスのEU離脱の国民投票を思い出しました。

 あの時は、「本音では離脱する考えは無かったけれど、今の政権に少しお灸を据えてやろうとEU離脱に投票したが、まさか投票結果が本当にEU離脱となるとは思ってもいなかった」として、約400万人のイギリス国民が国民投票のやり直しを求めました。

 今回の米国大統領選挙も、結果が出た直後には多くの米国民は「オバマ大統領の“チェンジ”が何の変化ももたらすことなく、格差だけが拡大してしまったことにお灸を据えようと思ってトランプ氏に投票したけれど、まさか、本当にトランプ氏が当選するとは思っていなかった。」というところではないでしょうか。

 まさしく、「思わぬ結果」ということをだろうと思います。

 しかし、今日の新聞にも掲載されていましたが、「新自由主義」と「グローバリズム」への反動が表れた結果とも思えます。

 米国は、世界屈指の市場経済優先の「新自由主義」「グローバリズム」社会であり、この新自由主義は、政府による市場介入は最低限とし、規制緩和を推し進め、自由な経済成長を促し、社会保障・福祉、富の再配分は大きな政府を招く事から、抑圧的にすることを求めていますし、「グローバリズム」とは、経済の世界一体化を進め、多国籍企業が国境を超えて地球規模で経済活動を展開し、自由貿易や市場主義経済を地球規模に拡大することを意味します。

 その結果、1%の大企業・富裕層が99%の中小・零細企業・貧困層の上に成り立っているという現象が表面化し、格差の拡大や富の集中が起こり、労働者層は所得を失い、若者は借金をしなければ大学へも行けず希望を失ってしまうということが米国だけではなく、ヨーロッパを中心とした資本主義国家のあちこちで起き始めました。

 もともと勝ち組の政策である「新自由主義」「グローバリズム」への反動が、今回の大統領選挙に表れたとも言えるのではないでしょうか。

 クリントン氏は「新自由主義」「グローバリズム」の象徴でありことを米国民は知っています。

 民主党の大統領候補を決める戦いでも、この「新自由主義」「グローバリズム」に真っ向から反対をしていたサンダース氏がクリントン氏と接戦をしていましたが、民主党は政権を維持していくためにも、そして不満を抱いている米国民の思いの受け皿としてもサンダース氏を大統領候補にすべきだったのではないかと思います。

 いずれにしても、この20年あまり日本も米国追従型の「新自由主義」「グローバリズム」の政策を行っていますし、その歪みと痛みを国民は身をもって感じています。

 これからは、日本型経営である終身雇用、年功序列型で雇用が守られ、その結果、人材が育ち会社への帰属意識も高まり、結婚して子育てが出来、マイホームを持って、将来に不安を抱かず人生設計が立てられれば貯蓄から消費にも金が回るという社会にすべきですし、そのために、行きすぎた「新自由主義」「グローバリズム」からの脱却が急がれるのではないでしょうか。


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