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陸自の実態

  • 2016年05月25日

 十勝管内、然別演習場で行われていた陸上自衛隊の訓練で、空砲を使うべきところを実弾を使用、発砲していた事が明らかになりました。

 訓練は9人で、そのうち2人が輸送中のトラックを襲撃、7人が輸送を援護するという設定で行われ、9人とも実弾で撃ち合い、二人が軽傷を負ったということであり、怪我をした二人は、空砲発射のためのアダプターの破片が当たった可能性が高いということです。

 問題は新聞が報じているように、実弾の管理が杜撰であること尽きると思います。

 実弾はその保管が別々であったこと、そしてそれぞれ違う鍵をかけていたこと、実弾や空砲も使用するときには必ず申請書が必要であること、受け渡しには幹部が複数立ち会うこと、使用した後は複数で数を確認し、数が合わなければ数百人単位で捜索すること、実弾と空砲はその形態が明らかに違うこと、実弾と空砲は撃った感覚が違うこと、など、何重にも管理されていたことや使用した自衛官も経験則で判るはずだったのに、誰もそのことに気づかずにいたことは、実弾を預かる自衛隊としてあるまじき行為、ミスではないかと思います。

 是非とも、今回の事故と、関連する実弾管理の実態を明らかにすべきであることは言うまでもありません。

 そしてもう一つ、私が感じたことは、今回の訓練で、79発の実弾を使用したにもかかわらず、実弾では誰も怪我を負わなかったということです。

 不幸中の幸いであることはその通りですが、視点を変えれば、79発撃って1発も相手に命中しなかったという事実は、違う観点で自衛隊の実力は本当に我が国を防衛できるだけの訓練と技術を兼ね備えているのかということです。

 日夜激しい訓練を積み重ねている自衛官には大変申し訳ありませんが、今回の訓練は空に向かって空砲を打ち鳴らすだけの架空の訓練では無いと思いますし、実戦を想定したものであると思います。

 だからこそ、訓練相手を負傷させないために空砲を用いたものと思いますが、1発も命中せず、実弾では怪我もしなかったことを憂慮しなければならないと思います。

 時あたかも集団的自衛権の行使を政府が決め、さらに今月から内戦の続くスーダンに自衛隊がPKOとして出向き、「駆け付け警護」や「宿営地の共同防護」などの新たな任務に身を置くことになり、武器使用が緩和されます。

 9人に何発の実弾が与えられたのかは判りませんが、発射されたのは79発で、単純に計算してもひとり11発撃ったことになります。

 そして1発も相手にダメージを与えることが出来なかったということも、今回の訓練で憂慮すべきことではないでしょうか。


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