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重要土地法案と道

  • 2021年06月16日

 「国家安全保障上重要な土地等に係る取引等に関する規制等に関する法律(重要土地規制法案)」が国会を通過しました。

 通常国会最終日となる16日未明に強行採決を行うという、常軌を逸した与党の蛮行に大きな憤りを感じます。

 12日のブログにも掲載しましたが、私の住んでいる函館市内に存在する防衛関連施設と警察関連施設だけでも相当数に及びます。

 政府は、この法律を提出する理由として「我が国の平和と安全の確保に資するため、その取引等が国家安全保障の観点から支障となるおそれがある重要な土地等について、自由な経済活動との調和を図りつつ、その取引等に対し必要最小限の規制を行う等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。」としていますが、法律案には具体的な施設が指定されておらず、第4条に「防衛施設、原子力施設等国家安全上重要な施設及び設備の敷地並びにその周辺」、「国境離島の区域」としているだけで、他は、内閣総理大臣が指定することが出来るという、法自体が「総理の意のままに」という中身の無い、そして問題が多いものとなっています。

 朝日新聞の報道では、<防衛省委が8年を欠けて施設の隣接地を調べても、外国人の所有と思われるのは全国で7筆にとどまった。その事実をどう見たらいいのか。

 防衛省の調査は、防衛省本庁舎や全国の自衛隊基地、駐屯地などの約630施設と、米軍基地や通信所など約20施設の双方の「隣接地」約6万筆が対象。所有者は約7万8920人(自衛隊施設約6万5330人、、米軍施設約1万3590人)にのぼった。2013~17年度の1巡目が、17~20年度に2巡目が行われた。

 防衛省によると、所有者の名前が外国人を類推させたり、住所が外国にあると思われたりする土地は7筆だったという。内訳は、自衛隊関連が東京23区内に5筆、京都府内に1筆、米軍関連が神奈川県内に1筆。具体的な場所や所有者の人数について、防衛省は明らかに出来ないとしている。

 今回の法案の骨格となった「国土利用の実態把握等に関する有識者会議」の提言では、航空自衛隊千歳基地(北海道千歳市)や海上自衛隊津島防衛隊(長崎県対馬市)の周辺で外国資本が土地を買い、「国民の間に不安や懸念が広がっている」としている。

 ただし、この調査では、どちらもそうした確認は出来なかった。調査は土地の境界画定を名目に登記簿や住宅地図をもとに行われ、隣接地以外は対象にしておらず、対象地でも登記上の所有者でしか確認していないからだ。

 調査が結果が意味するのは法案の必要性がないということで、立法事実に欠けるという指摘も国会では相次いだ。

 土地の所有者などが基地機能を害する行為をした場合、罰則を科せられる行為の例として、政府は電波妨害などをあげている。だが、過去の電波妨害をめぐっては、防衛省の土本英樹・整備計画局長も「これまで防衛施設周辺の土地所有などで自衛隊や米軍の運用などに具体的に支障が生じる事態は確認されていない」としている。そもそも電波妨害などは既存法にも処罰規定がある。>と記載しています。

 具体的な妨害も無く、「おそれ」だけで私権制限を行うだけではなく、土地所有者や施設所有者、そこを職場とする社員なども調査の対象とすることが出来るという法律。

 法律の中身はこれからというスカスカの内容、政府は多くの疑問に答えること無く今度も数の力で強行採決をしました。

 そして、問題なのは、この法律の制定を国に強く要望していたのが北海道なのです。

 なぜ道は、私権を制限し、道民の個人情報まで調査することができる法律を国に求めたのか、法が成立しても、知事は道民にきっちり説明する責任から逃れることは出来ません。


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