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談合と契約規定

  • 2018年03月19日

 リニア建設の談合事件において、大手ゼネコンの「大成建設」から逮捕者を出したことから、同じく大成建設が核となるJV(共同企業体)と仮契約している北海道議会庁舎の建設について、契約解除すべきとの声があります。

 北海道は、残念ながらこれまで仮契約と本契約の間に談合事件などを起こした企業に対して契約解除を行う事が出来るという規定がありませんでした。

 今回の議会庁舎建設に当たっても当然のことながら入札については公平・公正性を期さなければならず、業界内部で行う談合などは有ってはならないものと考えておりますし、北海道は、「一般競争入札」、「公募型競争入札」、「見積もり型競争入札」、「指名競争入札」、「随意契約」、「プロポーザル型競争入札」など、その案件毎に入札を行っており、これまでも入札方法につきましては時代に即した見直しを随時行い、併せて談合などが起きないように細心の注意を払ってきていると思っています。

 一方、今回のリニア談合問題につきましては、大成建設からも逮捕者を出しましたが未だその全容が明らかになっておりません。

 逮捕者が出たのは今月2日、既に議会庁舎につきましては、JV(ジョイントベンチャー:共同企業体)方式による1工区、2工区の入札が終了しており、落札に基づいて仮契約を取り交わした後となっております。

 報道にありましたように29都府県が指名停止により仮契約を解除出来る等の規定が設けられておりますが、北海道においてこれまで同様の事案が無かったこともあり、規定を設けておりませんでしたが、これまではこれまでとして、今後、落札業者が指名停止になった場合には契約を解除出来る規定を設けるようにしなければなりません。

 一般的に行政の内規とは行政内部の規定・自主規定のことで、業務の運用や事務手続きを定めたものであり、議会の議決は必要は無く、行政の管理運営事項として行政側が定めるものです。

 従って、「議会が協議して決めればよい」という性質のものではありません。

 また、この問題に対する我が会派のこれまでの対処ですが、今定例会において議会庁舎を管理する総務部および建設部、入札を所管する出納局からヒアリングを行い、所管委員会においても今後の対処について質疑を行いました。

 さらに、この問題につきましては契約解除規定が無いにも関わらず契約解除を行う場合、道にとってもリスクを伴うことを考えなければなりません。

 今の道の仮契約書において、仮契約を解除することが出来るのは

①契約により生じる権利義務を他に譲渡した場合。

②受注者が議会において議決された旨の通知を受けた日から7日以内に契約を締結しない場合。

③受注者が暴力団関係事業者に該当する場合。

④当該契約(議会庁舎建設)に関して、談合の事実が明らかになった場合、又は、当契約 以外で独占禁止法違反行為があった期間に道の契約の入札が行われ、取引分野が同一の時。

 となっており、今回の事例はいずれも該当しておりません。

 さらに、仮契約書に取り決めが無いにも関わらず一方的に契約解除することによって、相手方に損害賠償権が発生することになります。

 一般的には、すでに入札において落札が決まれば、工期に間に合うよう資材や人員の確保などの工事準備に入ります。

 また、JV(共同企業体)の場合、指名停止を受けていない他の業者(道内企業)まで影響が及び、さらに下請けを入れれば道内関連企業は数十社にも及び、それらの損害賠償などの訴訟リスクを負うことによって、道にとって財政的なリスクを覚悟しなければならないこと(賠償額は訴訟側の合理的な請求額)になります。

 先ほど申し上げましたが、公共工事の入札・契約は公平・公正でなけらばならないことは当然であり、早急に契約における解除規定の見直しを行うよう、本契約の議決前に知事に強く申し入れた所です。


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