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膨らむ道予算

  • 2021年02月26日

 北海道議会第1回定例会が始まり、鈴木知事の道政執行方針演説が行われました。

 概要は新聞等で報道されましたが、冒頭先議で国の第3次補正予算に関わる2,027億円の補正予算が提案され、各会派の質疑後に賛成多数で可決しました。

 この補正予算は、コロナ関連だけでは無く、公共事業や投資的事業、一般施策などが盛り込まれ、予算の多くは繰越明許費(翌年度に繰り越して使用する経費)となっています。

 すなわち、新年度においても継続して支出しなければならない予算を年度前に予算化しておくという手法を用いています。

 この補正予算が今年1月に国会を通っており、一部コロナ対策分が執行されていることから俗に「15ヶ月予算」といわれています。

 補正予算の本来のあり方とは、当初予算に予定していなかった支出が急遽必要となった場合に行うものですが、国は今回の補正予算にコロナ以外の公共事業費などを含むことによって2021年度一般会計予算の見た目の数字を抑える効果を目論んでいます。

 コロナ対策だけを考えれば、予備費の7兆円を支出すれば補正予算を組む必要はありません。すなわち、補正予算に名を借りた2021年度一般会計予算の増分を隠す役目を果たすもので、私から言わせれば詐欺的目くらまし予算だと思います。

 さて、道議会の先議に関わる予算も、国の補正予算の道分を国の補正の趣旨に合わせて計上したものに、道独自の負担分も含めて提案したものとなっています。

 また、この補正予算の先議と合わせて、鈴木知事による2021年度一般会計予算も提案されました。

 2021年度の道予算は、私が議員になってから始めて一般会計で3兆円を超える約3兆2,530億円で、特別会計約1兆270億円と合わせると約4兆2,800億円となります。

 大幅な増額となった一般会計は、前段説明をした繰越明許費を含む補正予算を加えるとさらに規模が大きくなり実質当初予算は、約3兆4,550億円となります。

 さて、2020年度も多くの補正予算を組みました。

 2020年度の当初予算は約2兆8,200億円でしたが、何と11回も補正を組んだことから、最終的には約3兆9,227億円と膨らんでしまいました。

 無論、コロナ禍による給付金や支援金、貸付金などへの支出が増えましたので予定外の膨らみ方ではありますが、決算ベースでは当初予算より約4割も多い支出となってしまいました。今後、2021年度も何度か補正予算を組むことになると思いますが、そうなれば一般会計のみで4兆円を超える事も予想されます。

 一方、道債(借金)残高は、2021年度当初で約6兆100億円と、始めて6兆円を超えて道民一人当たりの借金は約114万円となり、基金は21年度末で52億円まで減ってしまいましたから、年収400万円の家庭の貯金が6,000円しかないことになりますし、このままでは実質公債費比率が2026年度には24.3%となり、財政健全化基準の25%限りなく近づいていきます。

 大変厳しい財政状況にありながら、知事の道政執行方針には残念ながら財政逼迫への危機感も財政健全化に向けた決意の言葉も有りませんでした。

 知事には大変な財政状況になっているという認識を持っていただき、現実を見つめた財政運営を求めたいと思います。


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