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縄文文化の世界遺産

  • 2021年07月27日

 午後6時56分、イコモスから世界文化遺産に指定されたことが伝えられました。

 昭和50年、南茅部著簿内から中空土偶が発見され、平成19年に国宝に指定されてからここまで、長い時間がかかりました。

 私たちも北海道議会議員が全員、北の縄文文化道民の会の会員となり議会の中に議員連盟を発足しながら、先ずは国内での推薦を得るように活動し、次に北東北3県の県議会の議連と連携、政府に働きかけてイコモスへのロビー活動を活発に行うように要請、他の国や我が国の文化遺産登録を横目にしながら、様々な活動を行ってきました。

 とりわけ、函館市は、大船遺跡、垣の島遺跡など、北海道の縄文文化の中心的な遺跡が発見された場所です。

 南茅部地区の皆さんは、この遺跡を世界遺産にしたいと、我がことのように大事にとりくんできましたが、この地域でこの思いを牽引してきたのが、道の縄文世界遺産推進室特別研究員として活躍されてきた阿部千春研究員です。

 彼の縄文への情熱は圧倒的で、私も大きく影響され、そのお手伝いをしてきました。

 縄文文化は、ほぼ1万年~1万5,000年に渡る長い期間、争いも無く穏やかに、狩猟や採取を中心に定住する文化を形成してきました。

 今は西暦2021年です、この5倍にもわたる時空を争いという干渉をせず、されず、一方ではお互いに交流しながら、集落を形成して人間社会の基礎となる文化を形成してきました。

 このことは世界に類を見ない営みとして、日本における独自の文化形成に大きな影響を与えたものと思います。

 今、世界遺産に登録された事を受けて私たちに託されたことは、争いの無い文化を私たちの中に生かす事、遺跡を未来に継承するためにさらなる発掘を含めた新たな発見を見いだすことと、この縄文文化を風化させないことだと思います。

 鈴木知事をはじめ自治体首長は、縄文文化を街の活性化にどう結びつけるかに一生懸命ですが、それが、本質だとは思いません。

 確かに、観光の大きなコンテンツかも知れませんが、それだけでは今まで日本各地で行われてきた単なる人寄せ遺産でしかありません。

 世界文化遺産となった北海道の縄文文化は、それ以上に歴史としての意義を追い求める世代を超えた教育的意義として、日本だけではなく世界の中の縄文文化として永く継承されていく価値があるものだと思いますし、行政は、その事にも大きく取り組むべきです。


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