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石炭火発の未来(ブログ3052)

  • 2022年11月20日

 従来の石炭火発は、熱効率が低位であり優秀な火発とは言えず、さらにCO2を大量に排出する悪者として扱われていました。

 しかし、一昨日も述べたエネルギー事情もこれあり、国内では石炭火発の高効率化と排出ガス抑制を目標に、政府の「クリーンコール政策」の一環として「革新的低炭素石炭火力発電」の実証実験を行うこととして、2012年から経産省の補助事業として、16年からはNEDOの助成事業として「石炭ガス化燃料電池複合発電実証事業」が行われてきました。

 その実証実験が広島県大崎上島町において、Jパワーと中国電力が50%ずつ出資した新会社「大崎クールジェン」です。

 ここでは、まずIGCC(石炭複合発電)、微粉炭を高温でガス化し、燃焼前にCO2を回収、そのガスでガスタービンを回して発電するとともに、高温で排出される排ガスをボイラーの熱源として蒸気でタービンを回して発電するという2段構えの効率的な発電を行います。

 通常の石炭火発の発電効率が38%から40%なのに対して、IGCCは46%~50%に上昇します。

 更に、IGFC(石炭ガス化燃料電池複合発電)として、排出されたCO2を分離・回収して高濃度水素ガスに転換、燃料電池として活用し、IGCC+燃料電池の3段階発電を実施しています。

 また、CCS(CO2を地下の遮蔽層などに閉じ込める)、そしてCCUS(有効活用技術)も導入して、CO2回収率90%以上、回収濃度99%を目標に取り組んでいます。

 CO2の有効活用例としては、①化学品:ポリカーボネート、ウレタン等②燃料:ジェット燃料、ディーゼル・バイオ燃料、メタンガス等③鉱物:コンクリート製品・建造物、炭酸塩等④その他 となっています。

 これらは現在実証段階であり、クールジェンでは今年度までにIGCC・IGFCの実証実験を終了する予定となっているとのこと。

 商業段階(実際にプラントを建設し、発電を行う)までには、一定の期間が必要ですが、熱効率の悪い低品位炭から高品位炭まで幅広い石炭種に適応し、3段階発電で発電効率を高め、高効率なCO2回収で環境負荷を抑えると供に再利用を推進する、という技術。

 どこまで、目標に近づけるかは今後の取り組みにかかっています。

 

 同じく広島県竹原市のJパワーが事業体の竹原火力発電所は、クールジェンとは違い、USC「超々臨界圧石炭火力発電」という方式を採り入れています。

 これまでの石炭火発は、蒸気機関車と同じく石炭を燃やして水蒸気を発生させ、それで タービンを回転させて発電するものでした。

 水蒸気を使用する場合、蒸気圧力と温度が高いほど高効率の発電に繋がります。

 水蒸気温度、374.2℃及び圧力が22.1Mpa(225kgf/cm2)を臨界温度・臨界圧力と言い、それ以下を亜臨界発電と呼びます。

 また、それ以上を超臨界発電と呼びますが、超々臨界発電は、593℃以上、圧力24.1Mpa以上の水蒸気を発生させてタービンを回す技術ですが、竹原火発の新1号基は、600℃、27Mpaという微粉炭燃焼火力発電設備としては世界最高水準となっており、発電効率も48%という画期的なものとなっています。

 さらに、木質バイオマスペレットも10%の混焼にも成功しています。

 沖縄電力具志川火力発電所では混焼3%を5%まで引き上げたいとしていますが、竹原火力発電所では既に10%を実証済みです。

 石炭火力発電は、様々な進化を遂げていることを視察を通じて実感して参りました。

 今後はアンモニアとの混焼なども研究されて行くのでしょうが、地球温暖化は待ったなしの状況となっており、LNGはロシアに抑えられています。

 人間の英知で、早く原発に依存しないピュアでクリーンなエネルギーを実現したいものです。


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