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真夏の五輪の限界

  • 2019年10月31日

 東京オリンピックのマラソン競技がIOCの判断で札幌で開催される方向が濃厚になってきました。

 以前から、東京オリンピックの夏場開催に疑義を呈してきましたし、屋外で行われる耐久系のスポーツや競技時間が2時間近くに及ぶ球技などへの課題、さらにはオリンピックの商業化に関わり、オリンピックというスポーツイベントの限界についても掲載させていただきました。

 改めて言うならば、東京オリンピックを誘致するときに当時のJOC武田恒和会長(東京オリンピックに関する裏金疑惑で辞任)とJOCの作成した東京オリンピック立候補ファイルには「この時期の東京の天候は、晴れる日が多く且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である。」と説明していましたが、現実はどうでしょう。

 梅雨が明けて猛暑日が連日続き、熱中症で多くの方々が救急車で搬送されるばかりでは無く、死亡に至る場合も稀ではありません。

 今年を見ても、早くから酷暑が続き、雨が降れば局所的大雨で交通が麻痺して帰宅が困難になる、さらに7月から断続的に台風が出現し、その被害規模は年々大きくなり今年は関東を中心に大きなダメージを受けました。

 このような異常気象も含め、JOCのいう理想的な気候では無いことに気づいたIOC、さらに酷暑の中での持久・耐久系のスポーツ開催がアスリートにどのようなダメージを与えるかをドバイの世界陸上で目の当たりにしたIOCが、札幌開催を決めるのはIOCのメンツといっても過言では無いでしょう。

 JOCの策定したファイルを東京都知事も五輪担当相も是認したはずです。

 そして、今その嘘がバレたにもかかわらず悪あがきをしている姿は滑稽にも見えます。

 今後も米国などの放映権料を当てにした商業化した開催を行うならば、オリンピックの真夏開催は定番になってくるでしょう。

 そうなれば夏でも寒冷な都市で無ければオリンピック開催は難しくなります。

 一方、夏のオリンピックを開催できるだけの人口と施設が整った都市がどのくらいあるのか、札幌市は北緯43度に位置しますが、同程度かそれ以上の北の都市は、ウラジオストク、ブカレスト、モナコ、サラエボ、マルセイユ、ミラノ、オタワなどです。

 そうです。冬のオリンピックを開催した都市はありますが、夏のオリンピックは皆無なのです。

 アスリートにとって、オリンピックは特別なものなのであれば、IOCはそのプライドのため、商業主義と一線を画す位の覚悟を持ち、穏やかな気候である秋に実施すべきでは無いでしょうか。


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