背景

ブログ月別アーカイブ

ブログ

>>前のページへ戻る

産廃処理の闇

  • 2016年01月19日

 産廃業者に委託したココイチの「廃棄カツ」を、産廃業者から横流しされていた事件が明るみになり、その根の深さを徐々に露呈してきました。

 ココイチは、2010年以降、産廃業者「ダイコー」に賞味期限切れの自社製品である「ビーフカツ」を1t=1万2,000円で廃棄を委託しましたが、この産廃業者は、「まだ使用可能」と勝手に判断したのか、製麺会社「みのりフーズ」に横流し、「みのりフーズ」は、これを中小のスーパーや弁当屋に転売し、不当な利益を得ていたと言うものですが、事件が発覚してから、「ビーフカツ」だけではなく、「チキンカツ」「ロースカツ」「メンチカツ」の横流しも明らかになり、昨年12月以降だけでもこれら4品目で約10万枚、過去にさかのぼると「チキンカツ」だけでも約20万枚以上に上ると言われ、さらに、「カレー」や「ミートソース」なども出てきました。

 産廃業者は、ココイチから廃棄処分料を受領した他、原価0円のこの廃棄物を横流しして得た料金も丸々フトコロということで、まったくオイシイ商売ということになります。  この事件は、国際的に日本の食品に対する信頼を揺るがした事件であり、単なる横領というだけでは済まされない問題であると認識しなければなりません。

 排出事業者が産業廃棄物の処理を委託する場合、産業廃棄物管理表(マニフェスト伝票)に定められた事項を記載して交付、このマニフェスト伝票を収集、運搬、最終処分まで、それぞれの関係者がチェックし管理することで、適正に処理されていることを確認するツールとなっています。

 今回の事件は、このマニフェスト伝票がその役目を果たすことなく、というよりも帳簿にさえも記載せず、ダンボールの積み替えをしていましたから、はなからマニフェスト伝票など気にもかけていなかったと思われます。

 これではシステム自体が「ザル」となってしまい、廃棄物の処理過程が不明という闇の中で取引が行われていたことになります。

 食および産廃の監督官庁である厚労省の責任は非常に重いことになります。

 そして、この横流しのようなことは他にも有り、今回の事件は氷山の一角ではないかとも思われます。

 産廃という仕事は昔から、不法投棄など深い闇との関わりが取りだたされていますが、最近は業界も浄化されてきたと思っていました。

 今回の事件を期に、改めて産廃の処理過程の把握について洗い直しをするべきではないかと思います。


Copyright(C)高橋とおる後援会 All Rights Reserved.