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泊原発への包囲網

  • 2016年09月07日

 泊原発を巡って、様々な環境に変化が生じてきました。

 東日本大震災でのフクシマ第1原発事故を契機に我が国の全原発が稼働を休止してから5年半が経過し、今現在、原発が再稼働しているのは規制委員会が新基準に適合したとされる、九州電力川内原発1・2号、今日から営業運転を開始する四国電力伊方原発3号の3基のみで、他に規制委員会に再稼働を申請し、先行調査を行っている原発は、九州電力玄海原発3・4号炉、関西電力大飯原発3・4号炉、高浜原発3・4号炉そして泊原発3号炉となっています。

 司法の場では、関西電力高浜原発は運転差し止め請求では、差し止めの仮処分の地裁判決が出され、規制委員会の新基準に疑義を表明した他、避難計画の不備や不明瞭な事故責任についても指摘しましたし、同じく関西電力の大飯原発についても、運転再開を差し止める判決が出される(その後仮処分取り消し)など、今までに無い司法判断が出されています。

 フクシマ第1原発の廃炉は、工期や費用の目処も立たず、原子炉への地下水流入を防ぐ「凍土壁」は流入水の完全遮蔽は無理と東電も認めました。

 また、これまでの規制委員会の基準地震動についても、専門科から過小評価ではないかと指摘もされてもいます。

 熊本地震以来、活断層が想定外の動きをすること明らかになり、活断層の新たな知見を原発に反映する機運も高まっています。

 福島県の「帰還困難区域」の除染について、これまで約3兆円がつぎ込まれ、今後も数兆円の費用がかかり、青天井になることから国費での支援についても検討に入りました。

 避難計画も具体性について多くの問題点が指摘され、自治体は避難計画を国に丸投げしていますが、その国の計画もクビをかしげたくなる内容となっていますし、地元住民は納得してはおりません。

 核燃サイクルの要である「もんじゅ」は廃炉も視野に検討される事になりましたし、使用済み核燃料の処分についても場所の選定は遅々として進んでおりません。

 NHKの生放送討論番組「解説スタジアム」では、出演した解説委員の7名全員が日本の原発政策を否定する発言をしています。

 そんな中、泊原発は地域説明会で北電側の資料に「原発の二次冷却水には放射性物質は含まれない」という事実と異なる記載があり、それを基に虚偽の説明をした問題が発覚していますし、泊原発敷地内にある活断層についても規制委員会から疑義を持たれ、さらに、新たにサロベツ断層帯(宗谷、留萌管内)、黒松内低地断層帯(後志、渡島管内)も問題視されています。

 加えて、人口減や節電で電気消費量が伸び悩み、原発を稼働させなくても電力に十分な余裕が有ることも判りましたし、国際的な原油価格の低迷も良い要因です。

 そして、泊原発に万が一の事故が起きた場合の避難計画について、最悪の状況を想定したならば、厳寒期、そして豪雪、道路は道幅が半分になり、道路の両側は雪が積み上げられています。時によっては地吹雪ホワイトアウトも覚悟しなければなりません。

 そして海上からの避難も空からの避難も出来ず、屋内に退避するしか手だてがない他、バスの手配や避難弱者への対応等、避難計画は絵に描いた餅となる恐れも否定できません。

 このような全ての状況の中に置かれている泊原発をナゼ稼働させなければならないのでしょうか、再稼働を積極的に推し進めようとしている方々は、しっかりと納得できる説明をしなければなりません。原発の包囲網はじわじわと縮まっています。


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