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河川流域のハザードマップ

  • 2016年09月06日

 台風8号から始まり、9号11号、そして10号と8月に入ってから10日間で立て続けに4つの台風、そして、台風12号も北海道に近づいています。

 今回の台風で、北海道は「急傾斜危険区域」の土砂崩れは無かったものの、河川の氾濫が大きな被害をもたらしました。

 北海道は、災害対策にあたり、「急傾斜危険区域」の調査を最優先順位として位置づけ、予算も配分して沿岸部に多く点在する「急傾斜危険区域」の調査を行ってきましたが、未だに全体の2割程度の箇所しか調査が終わっておりません。

 一方、今回の被害は、先ほど述べたように耕作地帯や山間部に雨が集中し、河川に大量の雨水が流れ込んで起きた災害でした。

 南富良野町幾寅地区の避難所では空知川が決壊して濁流が流れ込み、避難所から避難しなけばならないという本末転倒の事態も起こっています。

 そして、この避難所は海抜-10mの地点に建設されたもので、町長は「空知川には高い堤防があり、決壊は考えられなかった」とコメントしていますが、基本的に低地に公共建築物、それも、いざとなったら避難所となるべき施設を建設することへの是非を投げかけることになりました。

 滋賀県では前・嘉田知事が、「流域治水条例」を成立させ、全国で始めてハザードマップを公表しました。

 無論、滋賀県議会や滋賀県市長会、さらに地主達からは「地価が下がる」と反対の声が起きましたが、「リスクが開示されないということは、一生に一度の持ち家を多額のローンを覚悟で建てる消費者等に対し、犯罪的とも言える社会的不作為である」と打ち消し、条例を成立させました。

 そして「水害を受けやすい場所に新住民が住む傾向に有り、その土地の成り立ちを知らずに水害に遭う。そんな例が日本各地にある。最近は福祉施設などが、水害のリスクが高い地域に設置される傾向にあり、大きな問題をはらんでいる」と指摘しています。

 北海道も「急傾斜危険区域」の調査とその指定には、同じように土地の評価が下がると言う反対の声が多い様です。

 そして高齢者施設などが安い土地を求める傾向にあり、その土地が過去に危険な地域だったという歴史的経過も知らないで建設するということが、滋賀県だけではないことが今回の台風被害でも明らかになりました。

 北海道は、各自治体が東日本大震災を教訓に津波に対する沿岸部のハザードマップを策定して各戸に配布していますが、「急傾斜危険区域」や「沿岸部」だけではなく、河川流域を対象としたハザードマップの作成も必要ではないでしょうか。

 そして、行政が土地利用規制を行い、災害を未然に防ぐ方策を講じる事が今回の教訓だと思います。


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