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更田氏の反論

  • 2020年12月10日

 大飯原発の差し止め請求に対する大阪地裁の判決に対して、規制委員会の更田委員長が記者会見で、「規制委は理系集団で、(文系の)司法当局に専門用語が誤解されている面が大きい。規制委の判断に過誤や欠落はない。」、「理系である科学者は説明を省略して記載することがある。判決は審査ガイドの解釈の違いによるものだ」と反論したようです。

 これに対し、東京女子大・広瀬弘忠名誉教授(災害リスク学)は「文系・理系という分け方は古すぎる、言葉の解釈の違いで片付けるのは不遜だ。」と反論、元東芝の原子炉格納容器設計者の後藤政志さんは、「判決は原発の安全性を担保できない規制委の矛盾を突いた。新規制基準が『新たな安全神話』にすぎないという不信感が国民に広がり、影響は全国の原発に波及するだろう。」と話しています。

 規制委は、以前から「原発の危険性をゼロにする事はできない。規制委としては、最新の知見・技術における今の基準を満たしているかを審査するだけである。」とコメントしており、規制委自身が「審査に当たって安全というお墨付きを与えているわけではない。」とも話しています。

 大阪地裁は、それらも含めて、さらに規制委が審査を行うにあたって定めた「地震動のばらつきを考慮する必要がある」とする内規を無視して、「ばらつき」の検討もせずに大飯原発を合格にした事を指摘しています。

 それを、「理系と文系は違う」という理解しがたい理屈で反論するとは笑止意外にありません。

 規制委は、裁判でおいて原告の主張に対し反論できたはずですが、果たしてどうだったのでしょうか。

 これからも規制委は各地の原発や関連施設の審査を行うでしょうが、結果は単に基準を満たしているというだけで、規制委自身も安全とは言い切れないのです。


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