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合衆国憲法8条12項

  • 2022年05月11日

 週刊金曜日5月6日号に、思想家の内田樹氏が寄稿した「凱風快晴ときどき曇り」にとても興味深い事が書かれていましたので、再掲します。

<日本国憲法第9条2項と自衛隊の存在の齟齬について、我が国の改憲派はよく「こんな非現実的な条文を持つ憲法は日本国憲法だけだ」と言うけれど、これは端的に嘘である。

 アメリカ合衆国憲法もまた条文と現実の間に致命的な乖離を抱えているからである。

 連邦議会の権限を定めた合衆国憲法8条12項には「陸軍を召集し、維持すること。但し、この目的のための歳出の承認は2年を超える期間にわたってはならない。」とある。

 世界最大の軍事大国である合衆国憲法は、今も「常備軍を持ってはならない。」と定めているのである。・・・・・・。 もちろん、それは建国者の理想であって、21世紀の現実とは隔たること遠い。それでも「現実と乖離しているから改憲しよう」というアメリカ市民がいることを私は知らない。

 それは、憲法を読む度に、独立(英国からの:髙橋追加)時点で建国の父たちがどのような理想的な国を未来に思い描いていたのか、その原点に戻って「目指すべき国のかたち」を知ることができるからであろう。この憲法を維持することによって、アメリカは今もまだ「常備軍を持たない国」を(それがいつ実現するかわからないが)目指すことを意思表示しているのである。憲法とはそういうものである。>と書かれていました。

 そして日本国憲法の前文の最後には、「日本国民は、国家の名誉をかけて、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う。」と締めくくっています。

 日本は、この理想を達成する努力を惜しんではなりません。

 今は、9条2項という理想と、自衛隊という実力集団を持つ現実に矛盾がありますが、だからといって、憲法に自衛隊(軍隊)を持つことを明記すれば、我が国の求める国の有り様を捨ててしまうことになります。

 これからは、内田氏が指摘する合衆国憲法8条12項を私たちの盾として、堂々と議論を交わすことにしたいと思います。


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