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原発への新たな脅威

  • 2022年03月20日

 原子力規制委員会の更田委員長が、衆院の経済産業委員会で、ウクライナの原発をロシア軍が攻撃したことに関して、日本国内の原発がミサイル攻撃を受けた場合、「放射性物質がまき散らされることが懸念される、現在の設備で避けられるとは考えていない。」、「2国間の紛争による武力攻撃に対する危険性はこれまで明言してこなかった。」、また、制圧についても、「コントロール全体を握られる。その後はどんな事態も避けられない。」と発言し、戦争が起こるなどは想定してこなかったことから外部からのミサイル攻撃や、悪意を持った集団による原発制圧に対して、原発は非常に脆弱であることを認めました。

 国は、国内の電気エネルギーの20~22%を原発でまかなうことをエネルギー基本計画の中に盛り込んでいますが、あり得ない事が起きてしまいました。

 ジュネーブ条約で、禁じられている原発・ダム・防波堤への攻撃を条約を批准しているにも関わらず、何のためらいもなく踏みにじられるという戦争を私たちは目の当たりにしたのです。それも国連常任理事国であり、世界の平和に責任を持つはずの大国がです。

 そして、その現実に直面した日本の原発の安全を守る、「規制委員会」の委員長が、それは想定していないと話しました。そうです。原発の存在は平和であることが前提だからです。

 ロシアは日本を「非友好国」に指定しました。

 北朝鮮は、幾度となく日本海に向けてミサイル実験を重ねています。

 そして、日本は中国を仮想敵国として「敵基地攻撃能力」の拡大をめざし、中国を刺激しています。この3国は核保有国であり、日本の隣国です。

 さらに、西側の概念で表す民主主義国家ではなく専制主義国家であり、ロシア同様トップの意思のみで戦争を起こすことが出来る国となっています。

 とりわけ、原発の多くがこれらの国と海を挟む日本海側に林立しています。

 泊原発も日本海側に位置します。

 宗谷海峡や津軽海峡ではロシアの艦船が幾度となく通過しています。

 また、迎撃ミサイル構想についても、鬼木防衛副大臣は「ミサイル技術の向上により迎撃が難しくなっている。」ことを認めています。

 今、世界は戦争は起きえるという新たな時代を迎えています。

 岸田総理は、原発銀座と言われる福井県に設置されている専従の「原子力施設警備隊」を横展開出来ないか検証した上で議論をしたいと発言しました。

 泊原発にも道警が常駐されていると聞いていますが、警察による警備体制をいくら構築しても、外部・内部のリスクを充分に補える事は出来ません。

 政府は、有事になった場合、原発が攻撃される可能性を、そして放射能汚染から国民を守り切ることは出来ないという現実を、率直に国民に対し語るべきでは無いかと思います。

 規制委員会の田中前委員長は17年7月6日に「平和な国でないと原子力は利用できない。戦争状態に入ることは絶対に避けなければならない。」と話していました。

 混沌としてきた世界事情、原発が有る限り逃れることが出来ないリスクを承知で、これからも原発を国内の基幹エネルギーとして位置づけようとするならば、政府は国民に現実を説明する義務があるのでは無いかと思います。


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