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入管法改正

  • 2018年11月06日

 政府は入管法を改正し、外国人労働者の門戸を広く開くことを閣議決定し、今臨時国会にその改正法を提出しようとしています。

 しかし、衆・参の国会議員の中には、野党だけではなく与党の議員の中にも懐疑的な意見を持つ議員がおり、それ故に難しい問題である事を表しています。

 現在、日本で暮らす外国人数は約256万人(17年12月現在)となっており、15年の1年間に日本に流入した外国人は39万人にものぼり、ドイツ、アメリカ、イギリスに次いで先進国では4番目に多い国となっています。

 その中で永住者と特別永住者が約108万人、留学生が約31万人、技能実習生が約27万人、日系人などの定住者が約18万人となっています。

 そして、留学生と言う言葉に対して、私たちは他国から高等教育機関である大学に留学している外国人を思いがちですが、国内にある日本語学校の学生達も留学生の中に含まれ、日本語学校の多い東京都新宿区だけでも50~60カ所もあるそうです。

 留学生という名の下に来日した外国人の多くは、コンビニや飲食店の従業員として働き、労働力不足の担い手となっています。

 一方、低賃金で過酷な労働環境に耐えかねて失踪する「技能実習生」は年間約7,000人にものぼり、社会問題にもなっています。

 18年に示された「骨太の方針」では、人手不足解消の為に外国人労働者の受け入れを求め、2025年までに新しい在留資格で50万人受け入れる方向性を打ち出しました。 しかし、こんな大事なことを十分な検討も行わず、拙速に法整備を行い来年4月から実施するという閣議決定は非常に乱暴なものと思います。

 外国人労働者も同じ人間であり、人権は保障しなければなりません。

 これまでの技能実習生のように3年で帰国という制度から、日常的な会話が可能であれば5年まで在留が可能となり、さらに高度の日本語と技術を取得すれば家族の帯同も認め永住権も取得できるようになります。

 ということは、今度の入管法改正によって日本は外国人と共同のコミュニティーを形成することになることを選択すると言うことになりますが、日本が外国人との共生社会になることを日本国民は充分に理解したのでしょうか。

 外国人労働者が定住権(永住権)を取得した時点で、日本人と同様に憲法に規定されている義務と権利が生じ、勤労・納税・教育の義務、そして、あらゆる人権尊重の権利が与えられますが、政府はそのことを一顧だにもしていません。

 三つの義務の他、職業選択の自由、参政権の付与、最低限度の生活の保障(生活保護等)、健康保険、介護保険、失業保険、保育の無償化、義務教育、高校の無償化などあらゆる制度を日本人と同様に、差別無く扱うということですが、日本人が今現在、その構えを理解しているとは到底思えません。

 国の形を大きく変貌させる外国人労働者の受け入れに対する入管法の改正は、根本的な国の有り様を変えることになることから、時間をかけて国民的な論議を尽くさなければならない問題だと思います。


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