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仮定の話

  • 2016年11月06日

 「もんじゅ」の断念により、核燃料サイクル構想が事実上破綻に向かっています。

 そして、使用済み核燃料の再処理が見通せず、約48tのプルトニウムの行方も宙に浮いたままとなっています。

 核の再処理も見通せない中、今でも再稼働した原発から核のゴミが新たに排出されようとしています。

 青森県は、核燃サイクルを国が断念した場合、六ヶ所村の中間貯蔵施設に保管している全国の原発からの使用済み核燃料を、各原発に返還すると話しています。

 全国の原発施設内に有る使用済み核燃料プールは満杯に近い状態にあるため、仮に青森県に中間貯蔵している使用済み核燃料を返されても、貯蔵する施設がありません。

 一方、国は核のゴミ、高レベル放射性廃棄物の処分地の選択を急ぎ、年内にも有望地を示す事を明らかにしました。

 北海道は全国で唯一、「北海道における特定放射性廃棄物に関する条例」を持ち、その中で「特定放射性廃棄物の持ち込みは慎重に対処すべきであり、受け入れがたい事を宣言する」と北海道の立ち位置を明らかにしていますが、過日の記者会見において高橋はるみ知事は、道内が候補地に選ばれた場合の対応について問われた際、「仮定の事には答えられない」「道議会と相談して判断する」と答えたようです。

 「仮定の話には答えられない。」

 私が過去に「予算特別委員会知事総括質問」において、同じく泊原発の再稼働問題について質問した時も、知事は「仮定の問題には答えられない」と答弁しました。

 みなさん、おかしいと思いませんか?

 私もおかしいと思い、このように再質問しました。

 「知事は仮定の問題には答えられないと答弁しましたが、それでは、今後一切、議会において仮定の問題には答えないと言うことで良いのですね?

 北海道の財政収支計画は将来推計を基にした計画であり、仮定の数字です。また、高齢化や少子化対策も将来推計を基にしていますし、それ以外の各種将来計画はその時を想定した仮定のものです。従って、今後はこのような北海道の明日以降の将来に関する質問については、仮定の問題であるとして答弁しないということですね?」と尋ねましたら、何も答えられなくなり、暫くキョトンとして黙っていました。

 「仮定の事には答えられない」この決まり文句を言えば、相手は黙ってしまうだろうとでも思ったのでしょう。

 隣に座っている副知事が見かねてメモに答弁を書き、それを知事に渡しました。

 知事はそのメモを棒読みし、「お訪ねの件(泊原発の再稼働に関する私の質問)につきましては、今後、国における様々な推移を注視し、十分検討をして参りたいと思います。」と答弁しました。苦しいですね~。

 いわゆる、「仮定のことにはお答えできない」というのは完全な逃げ口上であり、自分の考えを持っていないと言うことと同意語です。

 当該の知事であれば、例え記者会見であろうともこのような言葉を口にするものではないと思います。


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