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亡国への道

  • 2021年03月07日

 週刊金曜日に隔週連載されている「内田樹:凱風快晴ときどき曇り」というエッセイに“『韓非子』に学ぶ亡国”と題して、今の政権を語っていましたので、抜粋します。

<・・・君主は「信愛」と「習故(しゅうこ:古くからの習わし?)」に基づいて臣下を格付けするとつとに『韓非子』は嘆いていた。君主が信愛し、昔から見知った者が徴用され、君主の心情を忖度して、好悪を同じくする者が栄達を遂げる。正論を吐き、諫言を辞さない「法術の士(法によって君主の元で正しい政治を実現しようとする者)」には出番が無い。また、君主と疎遠な身で寵愛と争っても勝ち目はない。新参のみで年来の臣と争っても勝ち目は無い。君主と好悪を等しくする者と争っても勝ち目は無い。法術の士がこの勝ち目のない情勢で、あえて君に進むべき正しい道を説こうと思ったら、失命の覚悟が要る。「法術の士、いずくんぞ危うからざるを得んや」である。

・・・衰運途上にある国では君臣ともに新しいことを始める意欲を失い、もっぱら管理コストの最小化で日々を過ごすようになる。上位者におもねるイエスマンを登用し、トップのアジェンダに異を唱える者を排除するだけで1日が終わる。そうして価値のあるものは何ひとつ生み出さないが、管理コストだけは極限まで切り詰められた組織が完成する。そのような組織では、上意がよどみなく下達され、「それは違法です」も「それではことの筋目が通りません」も、どのような諫言もなされまい。そうしていくつもの国が滅びたことを個人は教えている。>とその思いをしたためています。

 内田氏は思想家ですが、この間の安倍政権、そして菅政権の道に外れ自分を中心とした政治を憂いています。

 このエッセイに書かれていることは、まさしく今の資質無き君主(総理)とその臣下(官僚や閣僚)を指しており、このままでは間違いなく日本が亡国へと堕落してしまうと読者に警告しているのでは無いかと私も思います。


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