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三島VS全共闘

  • 2020年03月20日

 今日封切りとなった「三島由紀夫VS東大全共闘~50年目の真実~」を見てきました。

 1969年5月13日東大駒場キャンパス900番教室において、約1,000人の学生を前にしての大討論会。

 70年安保を前にして暴力的革命を目指す東大全共闘は、この年の1月には東大安田講堂にバリケードを張り占拠、これに対し催涙弾と放水で制圧を迫る機動隊、全共闘は火炎瓶や投石などで抵抗しましたが、機動隊の圧倒的な力の前に屈っすることとなり、この攻防の様子をテレビの映像を通して知らされた国民も大きな衝撃を受けました。

 しかし、東大全共闘はその後も活動を続け、また、全国各地の大学でも学生運動は様々なセクトが混在しながら続いていました。

 一方、三島由紀夫は、当時、文学界で川端康成に並ぶノーベル文学賞候補にのぼるほどの活躍、さらに他の文化活動にも多彩な才能を発揮、また「楯の会」という民兵組織を率いる天皇主義者という顔を持つ、いわゆる右翼の一方の旗頭として注目を浴びていました。

 そういう時代背景の中、この三島由紀夫に討論をしかけ、論破して大恥をかかせようとする東大全共闘、その誘いに臆すること無く単身乗り込み、実現したのがこの討論会であり、1人対1,000人の舞台での対決が行われました。

 圧巻は、東大全共闘一の論客と言われる「芥正彦氏」とのやりとりで、当初は「自と他」についてという討論でしたが、お互いに持論を展開し、引くことの無い白熱したやりとりながら、「聞く側」と言うよりも映画を見ている私には哲学過ぎてなかなか理解できないというのが正直なところでした。

 やがて、全共闘のメンバーが替わり、天皇に関わるところまで討論は進みます。

 映画は、当時の討論に関わった東大全共闘のメンバ-、神戸女学院大学名誉教授の内田樹氏、社会学者の小熊英二氏、瀬戸内寂聴氏、さらに元楯の会のメンバーなどが当時のことを解説することにより、さらに内容が豊富化されていきます。

 結果は、お互いの深いところまで解り合えなかったのかもしれませんが、反米を唱え国を革命によって改革しようとする東大全共闘という左翼と、当時の世相を憂い国民統合の下、憲法改正を訴え国を守ろうとし自衛隊市ヶ谷駐屯地で決起し、自決した三島由紀夫という右翼は、道は違えどもこの国を何とかしなければならないと行動を起こした「ナショナリスト」なのだろうと思いました。


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