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ボディーブロー

  • 2020年12月17日

 核のゴミ最終処分場の文献調査で交付される国の交付金について、寿都町に隣接する蘭越町、黒松内町、島牧村の3自治体と道が、交付金の配分が認められた場合でも受け取りを拒否する方針を示したことが道新の調査で明らかになりました。

 文献調査に反対の立場を明確にしているそれぞれの自治体が、そのことで交付される交付金の受け取りを拒否するというのは至極当たりまえで、改めて自治体としての矜持を示したことを評価したいと思います。

 積丹町、共和町、岩内町の3町と泊村は回答を保留したようですが、早晩、配分が認められた場合には交付を受けるかどうかの判断が求められます。

 古平町は町議会が「核のゴミの持ち込みに反対する意見書」を可決していますが、町としては受け入れると回答、泊村は保留にしていますが、すでに泊原発で交付金を受けていることから抵抗はないのだろうと思います。

 調査結果を見て、寿都町は片岡町長が思い描いていたように、交付金の全額を手に入れる事になると皮算用している事かと想像しますが、その交付金を原資とする洋上風力発電の導入計画は、既存の7町・4漁協の協議会から島牧町と島牧漁協が最終処分場の文献調査に反対する立場から脱退することになり、意外な展開となりました。

 隣接の自治体からのボディーブローは、豪腕でならす片岡町長に少しずつダメージを与える事になりそうです。

 また、NPO法人北海道総合地質学研究センターの岡村さとし氏は、自ら寿都町、神恵内村などの地層調査結果から、現地の地層はマグマが水で急速に冷やされて固まった「水冷破砕岩」で、96年の豊浜トンネル崩落事故、97年の島牧村第2白糸トンネル崩落事故の原因を例に挙げ、大小の岩や火山灰が混じりもろくて亀裂が入りやすく、明らかに不適地であると指摘し、さらに寿都には黒松内低地断層帯、神恵内沖合には活断層がある事を考慮すれば、この地での処分場建設は危険であると主張しています。

 洋上発電とその原資となるであろう20億円への思いが強く、短絡的に結論を出し議会の一部に根回しし、反対派には「肌感覚」という説得力の無い言い訳をしてきた片岡町長に、寿都町民はあらゆる手段を講じて抵抗を始めました。

 町民の抵抗はボディーブローではなく、カウンターパンチになると思います。


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