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ツアーバスの次はトラック業界

  • 2016年03月22日

 観光バスの事故が多発し、規制緩和による業界の乱立と、そこで働く運転手の過酷な労働実態が明らかになったのは、記憶に新しい1月15日でした。

 過酷で低賃金のツアーバス運転手へは若い方が寄りつかず、敬遠された結果として高齢の運転手がツアーバスを支えることになりましたが、結局、ダンピングのしわ寄せが運転手に集中し、その結果として事故が多発、その原因の判明と対策が十分に講じられないうちに、山陽自動車道のトンネルで、今度はトラックが大きな事故を起こしてしまいました。

 そして、トラック業界もツアーバス業界と同じような過酷な実態が徐々に明らかになり、それが事故の要因に繋がっている可能性が非常に大きいと言われています。

 今回の事故を引き起こした運転手のネット投稿を要約しますと「東北から帰ったきたら、間髪入れず九州へ、長崎、福岡を周り関東へ戻ったらまた九州、休みがねえ~。」、「関東~関西~関東~東北、気合い走りで11時間。」、昨年7月には4日間で3,266km走ったと投稿していたそうですが、平均すると1日約800kmも走っていたことになります。

 ツアーバスでも、昼間9時間・500kmまで、夜間9時間・400kmまで、1日9時間・600kmまで、交代運転手の配置は、1運行①拘束時間16時間を超える場合、②2日にまたがり平均して1日9時間を超える場合、③連続運転時間が4時間を超える場合となっており、併せてどの場合も1時間以上の休憩時間を確保する事、夜間は運行直前11時間の休息時間を確保も規定されています。

 一方、貨物運輸、いわゆるトラックについて詳しく調べてはいませんが、人を運ぼうが貨物を運ぼうが同じハンドルを握る労働として、蔑ろにすることはできません。

 ましてや、トラックの場合、荷物の積み下ろしも行わなければならない場合も有り、より過酷な状況下に有ります。

 総労働時間は、他産業より年間400~500時間も長く、14年度の労災認定も77件と最多であったことも明らかになっています。

 一時、原油高が続きましたが、過当競争ゆえ運賃を値上げできずダンピングが横行し、運転手にしわ寄せが行く構図はバスもトラックも同じものであります。

 今回の事故も居眠りが原因と言われていますが、単に運転手の責任だけでは無く、この運行を強いた運送会社、そして業界全体の問題として改善しなければならない大きな課題では無いでしょうか。


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