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2040自治の形は

  • 2018年11月04日

 総務省に設置された「自治体戦略2040構想研究会(構想研)」が、この7月に第二次報告を公表、それに先行して公表された「町村議会のあり方に関する研究会」と併せて、第32次地方制度調査会(32地制調)はこの報告に基づいた内容の制度化(法制化)に向けた審議が行い始めています。

 2040年は、急速な人口減少が進み、そのことによって行政が直面する様々な課題が惹起されると共にITだけではなくAIの進展により業務が簡素化されていくのではないかと想定されます。

 まずは、人口減少に伴い、これまで通りの「フルセット」の行政サービスを、基礎自治体が担っていくことが限界がとなってくる事態が想定されます。人口減少は地域経済力の低下を招き、税収の落ち込みから行政に携わる職員が減少、これまでの行政サービスが住民から遠ざかっていくことにより、基礎自治体の存続までも危ぶまれることにつながることから、構想研は2017年10月から2018年6月までこれらに関する研究と議論を行ってきました(全16回開催されていますが、非公開とされているだけではなく、議事の半分は総務省が発言して議論をリードしており、議事録の公開はされていません)。

 さらに、総務省は32地制調のワーキングチームとして「ディスカッションフォーラム」なる組織を設置し、このメンバーには警察庁、文科省、厚労省、経産省、国交省、総務省から2名づつ派遣、具体的な制度化に向けて作業を開始しました。

 これらのことは地域社会・自治体からの発想ではなく、国の内政上の危機(総人口の減少)からの発想であり、国家戦略を地方戦略に落とし込むという危険性を孕んでいます。

 根本的には我が国の人口減少が問題ですが、個別の自治体の人口減少に置き換えて危機感を煽り、自治体の存在自体を緩やかに否定する方向に向かわせる事も想定されます。

 総務省の基本スタンスは、行政サービス全体を自ら出来る自治体と出来ない自治体に振り分けて、出来ない自治体は市町村行政の「フルセット」主義から脱却させ、都道府県・市町村の二層構造の柔軟化を図り、都道府県でも市町村でもない「地域圏域」での行政をスタンダードにし、基礎自治体の意思決定を形骸化へと導くことで、1,741の市町村を実質的に広域化し、標準化・共通化・スタンダード化を図ることを目指そうとしているように思われます。

 自治体の使命とは何でしょうか、自治体というコミュニティーに住む市民の暮らしと自治を守ること、つまり、そこに居住する人たちの意思により自治が形成され、それによって暮らしが維持されることであり、民主主義の基本となる基礎自治体制度を国の思惑によって形骸化することがあってはなりません。

 現在、市町村が独自で執行出来ない行政は、都道府県が補完しています(例:生活保護等)が、むしろ、都道府県が補完しやすい制度を作るべきではないかと感じます。

 今後は、人口減少以外にも急速にAI化が加速するでしょうが、AIが人権を考慮することは今の段階では難しく、人が行政に関わる、地元の状況をしっかり把握している職員が地域に密着した、感情のこもった行政を行うことこそが望まれるものと思います。


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